2016年6月29日水曜日

第一交通武蔵野分会NEWS 第5号

https://drive.google.com/file/d/0B2HgPUAlbi38dHVrYzRNRlUxZ2M/view?usp=sharing


「労働条件の不利益変更」を許すな!
全員期間の定めのない正社員と明言

 第2回団体交渉で、旧ユアーズで採用後5年未満のため、半年の期間雇用になっていた乗務員について、会社側から「全員期間の定めのない正社員と認識している」との言質を勝ち取ることができました。また、第1回団体交渉で要求した「就業規則」の内、出し渋っていた「乗務員服務規則」などを提出させました。
 一方会社側は、「賞与規定」「賃金モデル」「新・旧賃金比較表」「自動車保険の契約内容」「事故時の乗務員負担に関する規程」など、乗務員の生活に直結する重要書類については、6月12日現在、いまだに開示を渋っています。

違法だらけの労働条件改悪

 第一交通武蔵野は旧ユアーズから事業譲渡を受けただけで、法律上は単なる事業の継続にすぎません。にもかかわらず、これまで「賃率切り下げ」「就業規則改悪」など「違法だらけの労働条件の不利益変更」を強行してきました。
 賃金についていえば、1月21日・22日の両日に行われた説明会に、会社側から第一交通(株)安藤営業次長、第一交通武蔵野(株)田頭社長、飯野常務の都合3名出席の席上で、会社側が賃金を「賃率(=分率)」という言葉で説明をしたのを、我々乗務員全員が確かに聞きました。また、会社の言う「ボーナス」が、実は賃金の一部をあらかじめ分離して4か月ごとに支給する、いわゆる「分離給」に過ぎないものであるとの一方的な説明も受けました。
 その後、会社側は、◯◯組合員の「合法的な労働者代表選挙」を行うようにとの申し入れ書を黙殺して、「違法な方法で任命した労働者代表」に署名押印させて労基署提出の書類ををでっちあげ、「労働条件の不利益変更」を強行しました。
 その一方、第一回団交で会社側は「賃率(=分率)などない」と強弁し、第二回団交では、分離給をボーナスとすることを当然だとでも言わんばかりに、恥ずかしげもなく返答しました。それならなぜ労基署提出の「賃金規定」にそのことを記載しないのですか。このような二枚舌が世間一般に通用するはずはありません。

欺瞞だらけの『ミドリ十字』と卑劣極まる『闇給与』
儲けは会社に、リスクは乗務員に


 労働組合加入以前から、◯◯組合員のもとには「物損事故を起こしてしまい『無事故記録のミドリ十字を台無しにしてほかの乗務員に迷惑をかけるつもりか』と圧力をかけられて全額自己負担させられてしまった」との訴えが届いていました。
 「無事故記録150日」などと大書きされたポスターは、それをネタに乗務員に自損事故時の全額自己負担をさせるための小細工に過ぎないのです。
 さらに、就業規則の2項目(14条、36条7)を組み合わせて、損害金額の大きい事故の場合に自動車保険を使わせずに、100%乗務員と保証人の負担とした上で解雇できる仕組みまで用意されています。
 我々の賃金の「無事故手当」の1万円も、実際には「賃率」の内側に入っていて、控除されるだけのものであることは我々乗務員が一番よく知っています。
 この1点をとっても、我々タクシー乗務員の善意に付け込んだ「儲けは会社に、リスクは乗務員に」という会社の姿勢はハッキリしています。
 また、我々労働組合には、上記「物損事故時の『闇』全額乗務員負担」の他、複数の労働者から「一部の乗務員が、旧ユアーズとの賃金差額を『闇給与』として支給されている」との訴えが届いています。ここにも「乗務員を分断支配して無権利状態にしよう」という会社による団結破壊の労務政策がハッキリと表れています。

労働組合とともに団体交渉に結集しよう!!

 前回の団交で一つはっきりしたことがあります。私たち組合は、本分会ニュースで「オブザーバー(傍聴)参加」を呼びかけてきました。会社側は、それについて一度も拒否の姿勢を示さなかったにもかかわらず、実際に乗務員がオブザーバーとして団交に参加したとたんにうろたえ取り乱して「団交打切」を強行しようとし、あげくの果てに、その乗務員を追い出して監視するに至りました。このようなことはそれ自体不当な行為ですが、「オブザーバー参加拒否」をすることが異常であり「会社が乗務員に知られたくない事実がある」ということに他ならないのです。
 私たち組合は、会社側のこのような密室交渉を打ち破り、開かれた団体交渉を行うことを粘り強く勝ち取っていく決意です。
 オブザーバーとして、また組合員として、団体交渉に結集しましょう。私たち組合は、労働者の雇用と労働条件を必ず守り、団結を固めてたたかいぬきます。
 あらためて、組合への加入を訴えます。




初乗り引き下げは多忙化と労働強化

 国交省は、今年4月に申請を開始した新運賃申請数が台数ベースで7割を超えたとして、6月4日初乗り運賃を約1㌔410円程度に引き下げる方向で審査を開始することを明らかにしました。国交省はそれに向け、すでに今年7月と8月に実証実験を行うことを決めています。
 私たち組合は、この初乗り引き下げに反対します。
 交通運輸業務では安全運転が何よりも最優先です。それにふさわしい労働条件確保のためにタクシー労働者の長い闘いの中でその運賃システムは確保・獲得されてきたのです。その破壊(初乗り引き下げ)は間違いなく、①労働強化と②減収(賃下げ)となり③安全崩壊に直結します。
 したがって初乗り距離短縮運賃は安全・確実・迅速運行をモットーとするタクシー労働者の誇りを踏みにじる暴挙であり、白タク合法化と一体の攻撃です。絶対阻止あるのみです。

ニュースへのリンク

2016年6月24日金曜日

全国労組交流センター民間交通運輸部会 2016年6月

https://drive.google.com/file/d/0B2HgPUAlbi38MTV1SmhCMENmR3M/view?usp=sharing


タクシー労働者は団結しよう!
白タク合法化・初乗り短縮運賃絶対反対!
タクシー労働者の安全と誇りを奪う
安倍政権の規制緩和攻撃を許すな!

新しい労働者の政党をつくろう


トヨタ自動車がスマホ配車のウーバーと業務提携

 昨年来の自家用車ライドシェア(相乗り)=白タク合法化攻撃との闘いは、従来とは次元を画する新たな攻防局面に入りました。
 5月27日、「自家用有償観光旅客等運送」を制度化する改正国家戦略特区法が通常国会で成立し、この直前の5月24日、トヨタ自動車が米国スマートホン配車・仲介業のウーバー社との業務提携を発表しました。そして、東京圏では6月3日、初乗り距離短縮運賃の申請数が7割を超えたとして、関東運輸局が審査準備に入ったと報じられています。
 この攻撃の本質は安倍政権の新自由主義攻撃です。安倍政権は破産したアベノミクスを、新自由主義の攻撃の極限的推進で、戦後労働法制の解体・総非正規化と戦争に突進しています。
 トヨタの「白タク」への参入は、ここに金儲けのチャンスがあるということで、当面日本国内は対象外だとしていますがその除外がいつまで続くか分かったものではありません。
 情勢打開の核心は、労働組合の存在と闘いです。こうした白タク合法化の流れに対して、フランスのタクシー労働者のようにストライキ・ゼネストで対決し、絶対阻止する闘いが求められています。
 来たる参院選では、そうした本物の労働組合の闘いを甦らせることをとおして、新しい労働者の政党をつくって立ち向かっていきましょう。

改正国家戦略特区=白タク合法化法成立弾劾

 改正特区法は当面、①公共交通空白エリアでの外国人観光客らを、②非営利法人(NPO)などが自家用車で有料送迎するという条件付きで道路運送法の特例の形で制度化されました。しかし①の運送対象も②の運送主体も、いずれ「規制緩和」が図られその条件外しへと突き進むに違いありません。
 トヨタのウーバーとの提携は、ウーバーのドライバーに車両をリースし、ドライバーは運転の収入からそのリース料を支払う仕組みを検討するとしています。また独フォルクスワーゲン(VW)と米ゼネラルモーターズ(GM)はそれぞれ、ウーバーと競合するイスラエルのゲット、米リフトと提携しています。 「白タク」は世界3大自動車メーカーの争闘戦となっています。

スマホ配車によるライドシェア仲介企業・ウーバーとは

 自家用車を使って有償で利用者をスマホ配車するライドシェア(相乗り)仲介企業としてウーバー・テクノロジーズ社が米国サンフランシスコで創設されたのは2009年です。それ以来わずか数年で米・欧・インド・中国などに進出し、今や全世界を覆う勢いで拡大しています。しかし、IT企業によるシェアリング・エコノミー政策に基づくライドシェア合法化は全てを個人請負化することでタクシー労働者の団結破壊、労働組合解体攻撃にほかなりません。これこそ交通運輸産業における究極の規制緩和・安全破壊攻撃です。
 だから、世界で約60カ国・300都市以上(2015年5月現在)にウーバーのライドシェアが広がる中で根強い反対運動が巻き起こり、これを禁止・規制する行政・司法命令が多発しています。2014年10月パリ地裁で違法判決、同11月米・ネバダ地裁で仮差止命令、同12月インド・デリー首都圏で業務停止命令、2015年3月フランクフルト地裁でドイツ全土での提供禁止命令、同年8月ブラジル・リオ市で営業禁止法案承認‥‥‥等々が国交省資料として示されています。にもかかわらず三木谷・楽天社長や安倍自民党政権は経済成長戦略に有用だとして、日本でもこれを導入しようとしているのです。

新自由主義攻撃の急先鋒=楽天・三木谷と安倍政権

 新自由主義政策にもとづく規制緩和攻撃の急先鋒である三木谷・楽天社長や自民党安倍政権が、特区法改正を白タク合法化の突破口と位置づけ、今後着々と制限はずしと大都市圏展開へと攻勢を強めてくることは明白です。三木谷・楽天社長が代表理事にすわる新経済連盟は『シェアリングエコノミー(共有型経済)活性化に必要な法的措置に係わる具体的提案』なるものを昨年10月30日付で官房長官・国交大臣宛に提出しています。
 それは冒頭の「本提言の背景」とする項目の中で、
①ソーシャルメディアの発達により個人の遊休資産などの交換・共有により成り立つ経済(シェアリングエコノミー)が昨今、欧米を中心に急速に発展している、
②その国内市場規模は2025年に10兆円以上になると推計される、
③日本再興戦略(2015年6月30日閣議決定)においてもシェアリングエコノミーについて次期通常国会において「必要な法的措置を講ずる」ものと位置づけられている、
④こうした状況を踏まえ当連盟はホームシェアとライドシェアに絞って今回の提言をとりまとめた‥‥などと主張しています。
その上で「ライドシェアの現状」の項目で
①ライドシェアを含むシェアリングエコノミーサービスは世界各国で展開され既に時代の潮流である。
②自家用自動車の空き座席に人を乗せて有料で運送するサービス企業は世界的に急成長している。
などと述べ、新経連・関聡司事務局長(楽天渉外室長)は提案提出時のインタビューで「過疎地だけで終わるのは良くない。都市部も含めて全国的なサービスとして広めていきたい」と露骨にその本音を表明しています。

 以上から分かるように、三木谷・楽天社長(新経連代表理事)と、この問題に深く関わる竹中平蔵・慶大教授(国家戦略特区諮問会議議員)こそ金儲け最優先の新自由主義推進論者であり、労働者や利用者の安全を平然と無視破壊する代表的人物です。全てをIT産業のビジネスチャンスの視点でしか見ない輩が推進する白タク合法化攻撃は乗員・乗客の安全無視として徹底弾劾されるべきです。そして私たちタクシー労働者の安全・確実・迅速をモットーとする誇りある運転労働に対する冒涜として同様に弾劾されるべきです。

フランスのタクシー労働者のようにストライキで闘おう

 では、白タク合法化絶対阻止のために今いかに闘うべきでしょうか。私たちはストライキで立ちあがっているフランスのタクシー労働者のように闘うべきだと思います。今年1月26日、「1200人のタクシー・ドライバーがストライキ」を行い、ライドシェア仲介企業のウーバーに抗議して「パリの主要道路が封鎖される事態に発展した」と英国・BBC放送が報じ、1月27日のAFP通信は「仏全土でゼネスト、タクシー運転手ら道路封鎖 デモ120カ所」との見出しで2100人のタクシー労働者がストライキ闘争に立ち上がったと報じています。
 現在フランスではシリア・中東への空爆と非常事態宣言下で労働法制改悪を進める社会党・オランド政権に対する大規模なストライキ行動が連続的にたたかわれています。3月9日、高校・大学の学生団体が呼びかけ労働組合も賛同・呼応してフランス全土で50万人が立ちあり、労組・学生7団体共催の統一行動(3月31日)での120万人を頂点にパリと全国で毎月毎回数十万人規模でストライキ闘争がたたかわれています。5月19日には鉄道・航空・港湾・長距離トラックなどの労働者スト、25・26日には製油所や原発を含む電力労働者を含むゼネスト情勢に発展しています。その一環としてタクシー労働者もウーバーが進めるライドシェア反対を掲げてストライキ闘争に立ち上がっているのです

「白タク」合法化は究極の安全破壊

 「国家戦略特区法改正」(自家用有償観光客等運送)の成立、トヨタとウーバーの業務提携(ライドシェア領域での協業)という大きな流れが白タク合法化の導水路として具体的に打ち出された今こそ、会社(タクシー業界)や行政(国交省)、政治家(野党)頼みの労働組合運動などでは断じてなく、「フランスのタクシー労働者のようにストライキで闘おう」というタクシー産別労働組合運動が創出される必要があります。
 自家用車ライドシェア=白タク合法化が強行されれば、運転者と利用者に対する安全運行上の保証は崩壊状態です。営業運行上の「二種免許」もなく、「有償旅客運走」上の技術的・営業的講習もない運転者が白ナンバーの自家用車両で乗客を運ぶ戦慄すべき光景を想像してほしい。
 運転者の健康状態、車両の整備と清潔保持、事故時の責任ある対応と保険補償等々の全てが、運転者・利用者双方の安全破壊として強制されます。事故、苦情、トラブル対応はどうなるのでしょう。欧米やアジア(インド)などでドライバーの利用者に対する誘拐・暴行事件などが氷山の一角として多々報告されています。だからこそ世界各都市で司法や行政当局による業務停止や提供禁止命令などが前述のように頻発しているのです。

既成労組の限界打ち破りストライキで闘う労働組合へ

 白タク合法化は、乗員・乗客の命と安全を守るために絶対に阻止しなければなりません。そのためにはフランスのタクシー労働者のようにストライキを構えて闘う労働組合と産別労働運動を復権・再生していくことが不可欠です。今春、3月8日東京・日比谷での「3・8白タク合法化阻止総決起集会」が全自交、自交総連などハイタク労働8団体の共催として2500名の集会・デモとして取り組まれましたが、いずれの労働団体の発言からもそうした気概や方針、道筋は全く示されませんでした。
 累進制の強い出来高払い賃金、機器使用料・手数料など不当な労働者負担、長時間・徹夜運行など劣悪な労働条件の変革をかけて闘いながら、安全・確実・迅速の運行に日々努めるタクシー労働者にとって、こうした白タク合法化攻撃は誇りある自らの運転労働を否定され蹂躙されるような攻撃です。タクシー労働者の矜持にかけて反対しましょう。フランスや世界のタクシー労働者と連帯し、安全破壊の白タク合法化にストライキで対決して闘う労働組合運動をつくり出していきましょう。




投稿 全国30数万のタクシー労働者は、いま本気で怒っています

 タクシー業界は、リーマンショック以降そしてアベノミクスの破綻が目に見える形で進行する中で、タクシー利用者が激減し営業収入はピーク時から、全く回復していません。その結果タクシー労働者の待遇は、低賃金・長時間労働の厳しい状況が長くいまも続いています。「失業者の受け皿」と言われていた業界は、今や「食べていけない・生きていけない」業界へと変貌しています。
 タクシー業界は殆どが完全歩合賃金制度なので、多くの仲間は自らの所得を高めようとして、休憩・仮眠時間等を削り労働時間を延長して働いています。大袈裟でなく命を削りながら労働しているという状況です。それは、他産業に比べて現役労働者の死亡率が高いことや、東京都内においてはタクシー絡みの死亡事故が増えていることにも現れています。軽井沢バス事故や広島山陽道トンネルでの事故は、同じようにハンドルを握る交運労働者として他人事ではありませんし、みな明日は我が身だと感じています。
 そして、この間タクシー業界においては、「ライドシェア=白タク合法化」と「初乗り短縮運賃」攻撃が出てきています。これは「命より金」の新自由主義=規 制緩和攻撃でありタクシー労働者にとっては、より一層生活を脅かされる攻撃としてあります。絶対に阻止しなければなりません。
 しかしながら、私の組合の体制内派労働組合含め既成の労働組合は、「国交省頑張れ」「資本と共に闘う」という論理でタクシー労働者の自己解放的決起を抑え込もうとしています。そしてストライキは時代にそぐわないと公言しています。
 問われているのは、私自身が東京7万全国30数万のタクシー労働者の誰よりも「安倍打倒」の怒りの声をあげて闘いの先頭に立つことです。そして既成の労働組合を反面教師として、「闘うストライキ」の復権を何としても勝ちとらなければいけないと思います。〈東京タクシー労働者〉




「初乗り短縮」は多忙化・労働強化への道

 白タク合法化攻撃と同時進行で、東京特別区・武三地区の初乗り2㌔=730円の運賃が初乗り1㌔強=410(460)円に短縮・値下げされようとしています。私たちタクシー労働者が反対する中、それを完全に無視する形で今年中にも実施を強行する段取りです。

営収減を会社は保証するのか?

 国土交通省は、今年4月に申請開始された新運賃申請数が台数ベースで7割を超えたとして、6月4日初乗り運賃を約1キロ410円程度に引き下げる方向で審査を開始することを明らかにしました。国交省はそれに向け、すでに今年7月と8月に実証実験を行うことを決めています
 推進勢力の旗振り人・川鍋日本交通会長(東京ハイタク協会長)は、①白タク合法化の外圧に抗するためにも利用者のニーズと利便性に応える業界の自助努力が必要だとか、②お年寄りなどの「ちょい乗り」需要を増やせるとか、③2㌔走れば現行の730円に並ぶ設定だから運賃引き下げではない等々と言いつくろっています。しかし「業界の自助努力」と言いますが、上の図の斜線部分=2キロ未満の営収減は、その分は会社が負担するのですか? 実際は、現場のタクシー労働者が負担させられ、新運賃は多忙化・労働強化につながることは目に見えています。

距離短縮運賃は失敗してきた


 1997年当時、初乗り2㌔660円時代の東京で、コンドル・グループを含む16社1893台が初乗り1㌔340円の距離短縮・値下げ実施で運行したが2002年までに全て元に戻した失敗事例があります。短距離の運賃が安くなることから「ちょい乗り」需要が増えるなどと言う主張も含めて、「初乗り距離を短縮するだけで運賃引き下げではない」とする川鍋・日交社長らの主張は全て詭弁です。初乗り2㌔以内の乗客回数は昼間・郊外では35%(東タク協調査)にもなるというデータもあり営収減は明白です。
 そもそも初乗り2㌔の距離を短縮すること自体が大問題です。初乗り距離を2㌔とする運賃システムは戦後ほぼ一貫して踏襲されてきました。1962年から4年間の初乗り1・6㌔90円、1973年から数年の同1・8㌔240円(350円)時代を除いて全て初乗り2㌔とされてきました。

初乗り短縮は安全の崩壊へ

 交通運輸業務では安全運行が何よりも最優先です。それにふさわしい労働条件確保のためにタクシー労働者の長い闘いの中でその運賃システムは確保・獲得されてきた地平です。歴史的に意味ある慣行です。その破壊(運賃引き下げ)は間違いなく労働強化と減収(賃下げ)となり安全崩壊に直結します。
 したがって初乗り距離短縮運賃は安全・確実・迅速運行をモットーとするタクシー労働者の誇りを踏みにじる暴挙であり、白タク合法化攻撃と一体の攻撃です。絶対阻止あるのみです。




投稿 北海道のタクシー労組 闘いなくして安全なし!

 北海道のAタクシー労組は4月、会社が「今年からスタッドレスタイヤを履きつぶすまで、夏タイヤには取り替えない」と一方的に決めたことに対して直ちに大衆団交をよびかけ、会社決定を撤回させました。
 北海道では、国鉄の分割・民営化によるJR北海道の安全崩壊=重大事故が続発しています。これはタクシー労働者にとっても他人事ではありません。JRの民営化の教訓は「闘いなくして安全なし」です。組合は「人様の生命を預るタクシーが、タイヤ代をケチって“スタッドレスタイヤを履きつぶす”なんて、それで事故が起きたら誰が責任を取るんだ」「会社はタクシーの仕事を舐めているのか」「私たちタクシー労働者は仕事に対する誇りを失ってはいない。どうせやるなら客に感謝される仕事をしたい。安全に1日の仕事を終えたい。タイヤは安全の基本だ、こんな危険な車を運行させるわけにはかない」と労働者の誇りにかけて阻止すると宣言しました。労働者の怒りの決起に会社は決定を撤回し、夏タイヤへの交換を勝ち取りました。





交通運輸部門での規制緩和は大惨事に直結!


今年1月「軽井沢スキーバス惨事」

 今年1月15日未明、軽井沢で乗員・乗客15人が死亡するという重大なバス転落事故が起こりました(写真)。
 2002年のタクシー事業における規制緩和強行によって事故、客の奪い合い、労働強化、健康被害が続出しました。これに(先立つ2000年、貸切バス事業でも「許可制から認可制」への規制緩和が強行されました。その結果、膨大な新規参入がなされ99年当時の2336社から2014年の4477社へとほぼ倍増しました。過当競争・ダンピング・法令違反・安全崩壊・重大事故という連鎖は、まさに起こるべくして引き起こされたのです。
 2012年の関越道バス事故以降、400キロ超の夜間長距離運行のドライバー2人体制や運行料金の下限基準が定められたりしていますが、そうした弥縫策のマヤカシが今回の大事故で劇的に暴露されたのです。
 スキーツアーを企画した旅行会社は、国が定めた約27万円の運行料金の下限を大幅に下回る約19万円で発注。その結果、「元請けの旅行会社」→「下請けのバス会社」という外注化構造ゆえに弱い立場の零細バス会社によるダンピング競争が横行し、バス運転手の低賃金化・労働条件の劣悪化が進行したのです。2001年度のバス運転手の平均年収542万円は、2014年度には455万円にまで低減化しています。かつて全産業平均を上回っていた年収が今では逆に約90万円下回っています(タクシー労働者の年収は392万円弱でもっと低賃金です)。
 利益優先・安全無視のバス会社と旅行会社は厳しく弾劾されなくてはなりません。その上で何よりも、こうした安全崩壊の事態が目に見えているにもかかわらず、次々と安全破壊の規制緩和を強行し続けてきた歴代の自民党政権による新自由主義政策こそ徹底的に断罪されるべきです。

今年3月「トラック多重衝突惨事」

 トラック部門での規制緩和攻撃はもっと早い1990年施行の「物流2法」に始まっています。その結果、一部大手運送会社のもとでの下請け・孫請けが乱立する過当競争とダンピングが横行し、中小零細企業のドライバーがいかに過酷な運行を強いられているかは目にあまるものがあります。
 今年3月17日早朝、東広島市の山陽道トンネルでのトラック運転手の居眠り運転による多重衝突事故が発生し2人死亡・67人負傷の大惨事が、トラック労働者の過労運転実態をあらためて突き出しました。逮捕されたトラック運転手は、前日の16日午後5時45分に埼玉県川口市の営業所を出発して17日午後1時までに福岡県に荷物を届け、そのあと大阪に寄って戻ってくる5泊6日の運行計画だったとされています。17日午前7時25分のトンネル事故前は、「途中のサービスエリアで数時間寝た」だけです。長距離トラックの運行実態はこれが通常パターンです。過労運転によって引き起こされた典型的な事故というほかありません。
 タクシーやバス、トラックなど交通運輸部門における新自由主義の規制緩和、それによる安全破壊は重大事故・大惨事に直結することを私たちは肝に銘じたいと思います。

一切の出発点=国鉄分割・民営化攻撃

 こうした規制緩和攻撃の一切の出発点は、1987年の国鉄分割・民営化でした。「戦後政治の総決算」を掲げて登場した自民党・中曽根政権の時代です。当時の国鉄職員40万人のうち20万人が職場を追われ最終的に1047名が解雇されました。それ以来、利益優先・安全無視のJR体制への移行のもとで、2005年4月のJR西日本・福知山線における尼崎列車事故(107人死亡)を頂点にして、JR北海道や九州を最先端に全国各地でのJR事故や運行の乱れが日常茶飯事化しています。
 今年3月の山陽道トンネル事故での2人、1月の軽井沢バス転落事故による15人、2012年4月の関越道バス事故での7人、そしてJR西日本における2005年尼崎事故での107人等々の尊い命は、全て新自由主義の規制緩和によって虐殺されたのです。これこそが、資本主義社会の最後の延命政策である新自由主義攻撃が行き着く凶暴性の実態です。
 交通運輸労働者は生き抜くために、こうした社会の根本的変革と打倒のために、今こそ立ちあがろうではありませんか。

7月参院選で安倍打倒・社会を変えよう

 安倍首相は通常国会閉会後の6月2日、記者会見で7月参院選に向けて「アベノミクスをもっと加速するのか、それとも後戻りするのか。これが、来る参議院選挙の最大の争点だ」と述べました、しかし、アベノミクスなどはとうに破産しているではありませんか。安倍政権はアベノミクスの偽りの「成功」話を意図的にでっち上げ、そのウラで、国家機密法や戦争法案の強行成立、そして原発の再稼働、労働法制の大改悪、8%への消費増税など数々の悪政を強行してきました。また「非正規という言葉をなくす」というのは、安倍政権が正規職をなくし、全ての労働者を非正規にたたきこみ、改憲・戦争に突っ走るということです。
 野党はと言えば、参院選で「戦争反対」と言いながら、安保問題では「米軍と共同で対処する」「安倍政権のもとでの憲法改悪に反対」などという共産党はじめ全ての野党は信頼できません。
 私たちは「新しい労働者の政党をつくろう!」と呼びかけている鈴木たつおさんを応援しています。職場から討論をまき起こし、現場から闘う組合をよみがえらせ、社会を根本から変えていきましょう。




全国労働組合交流センター民間交通運輸部会とは?

全国労働組合交流センターは、1989年2月結成、国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)を先頭に、たたかう労働組合を甦らせようと全国で活動しています。民間交通運輸部会は、交流センターの中の民間のタクシー・バス・トラックなどで働く産別労働者の集まりで、次の4方針で闘っています。
①人間らしく生きていける労働・社会をつくるために、労働組合をつくり闘う。
②出来高払いの歩合制賃金、足切り制度撤廃、不法不当な乗務員負担の撤廃。
③労働者への競争と分断、支配・管理・抑圧の強化、処分・首切りを許さず、団結を守る。
④「事故は労働者の責任ではない」という反合理化・安全闘争を重視した実践活動。

リーフレットへのリンク

2016年6月6日月曜日

第一交通武蔵野分会NEWS 第4号

https://drive.google.com/file/d/0B2HgPUAlbi38anFJd3lfY0FkY3M/view?usp=sharing

第2回団体交渉報告
会社側はオブザーバー参加を認めろ!

 5月30日武蔵野プレイスにおいて、会社側:安藤営業担当次長、飯野常務、所長代理2名、組合側:当該組合員の他、石川執行委員他3名の参加で、第2回団体交渉を行いました。

オブザーバー参加を会社側が拒否

 団交開始直後に第一交通武蔵野の労働者が団交にオブザーバー参加してきました。ところが会社側はこれをかたくなに拒み、「参加させるなら団交を打ち切る」など団交応諾義務をも踏みにじる取り乱し様で紛糾しました。
 そもそも私たち労働組合は、全労働者を代表する立場で団交に臨んでいます。さらには団交要員は組合自治の問題であり、会社に規定されるいわれはさらさらありません。
 実際問題、会社側に組合員通告をしていない組合員が団交に参加する場合もあり、世間一般に団交要員は広く解放されているものなのです。会社側がこのように開かれた団交を拒む理由は、後述するとおり団交席上の言辞と社内での行動がかけ離れたものとなっていることを、他の労働者に隠そうとしているためなのです。
 組合は団交へのオブザーバー参加を認めるよう会社に求めると共に、労働組合への加入を仲間のみなさんに広く訴えます。

始末書の濫用を行わないと確約

 先ず就業規則の懲戒規程に関し、直近で起こった◯◯組合員に対する始末書提出強要問題について、①始末書には法的根拠がなく、そもそも本人の反省の意を表すものであること、②就業規則の懲戒規程に記載されていることから始末書の濫用が労働者に対する懲罰として用いられないこと(本来の趣旨とは異なってくる)、③特に労働組合員への不利益扱いとして悪用されることが考えられる、という問題点を指摘し、始末書の濫用を行わないよう求めました(組合としては原則反対)。
 これに対して会社側は「再発防止措置を監督官庁に報告する必要があるためのものであり、懲罰的なものではない」と回答し、報告書など始末書以外の書式での処理を確約しました。この点今後の対応への注視が必要です。
 組合側が問題視していることのひとつに、就業規則に記載されている懲戒規程や服務規律/乗務員服務規則(現在未入手)が異様なまで多岐にわたり、社会通念上通用しない内容も多く見受けられます。こうした規則で労働者をがんじがらめにして責任を押し付け、分断支配しようとするような労務政策を断じて認めることはできません。

賞与引当金/賞与貸付制度を止めるよう要求

 次に賃金問題について追求し、①減収の原因となっている賞与引当金/賞与貸付金制度を止めること、②賃率を改め労働者が生活できる賃金とすること、を要求しました。
 その他、就業規則の不足分資料提示と賃金資料の提示を求め、次回団交を設定しました。




会社による「当て逃げ」
デマキャンペーンを許さない!


 5月30日(団体交渉当日)から、会社側による前例のない「未報告・当て逃げ事件」キャンペーンがはじめられました。これは、団体交渉にオブザーバー参加を希望する労働者・乗務員に対する牽制攻撃であって、◯◯組合員と労働組合つぶしを狙った悪質なデマ・キャンペーンであり、絶対許すことはできません。
 その悪意に満ちたデマの内容は以下のとおりです。

①管轄の調布警察署が「道路交通法違反の容疑なし」としたものがなぜ「当て逃げ事件」なのか。
②帰庫時・終業点呼前までに報告したものがなぜ「未報告」なのか。
③車両が接触したとされる路肩のガードポールの施設管理者である狛江市役所は、施設管理権があるとしても、被害の認識も損害賠償請求の意志もないとしているものが、なぜ「人命救助」なのか。 

 さらに、このキャンペーン・ポスターには「なぜ?」と大書きされたうえに、「事故:人命救助」と表示され、深夜のガードポールとの接触が、全体として、まるで「人身事故」であるかのような印象操作がなされています。これは◯◯組合員があたかも「人命救助」が必要な「当て逃げ事件」を起こし、 それを「未報告」で済ませている、とでも言うようなものではありませんか。このようなことをデマと言わずして何と言うのでしょうか!?
 第一交通武蔵野は旧ユアーズから事業譲渡を受けただけで、会社の実態は法律上旧ユアーズの継続にすぎません。
 それにもかかわらず、その後今までに会社が強行した「違法な賃率引き下げ」や「違法な就業規則の変更」など、「違法だらけの労働条件の不利益変更」を指摘し続けた◯◯組合員と労働組合に対する不合理・悪質なデマ・キャンペーン攻撃を我々は絶対に許さない!

許すな「乗務員全額負担」、欺瞞だらけの『ミドリ十字』

 これは◯◯組合員に対するデマキャンペーンにとどまらない問題です。第一交通武蔵野になってからというもの私たち組合の下には「こうした軽微な損傷に対して、無事故記録を台無しにして『ミドリ十字』を台無しにするつもりか。全額自己負担しろと言われた」との労働者からの悲痛な叫びが届いています。
 私たち組合の事故に対する立場は明確です。事故は会社の業務中に発生するものであり、会社が責任を負うべきものです。それを全て労働者の責任に転化することは断じて認められません。
 事故問題は今後さらに団交で追求していく課題と考えていますので、組合に結集して団結を強め、会社の責任逃れを許さないたたかいをおしすすめましょう。
ニュースへのリンク